不妊治療を考える タイミング療法

タイミング療法とは、排卵が起こる日を予測して当日や前日を目安にセックスをする方法です。

基礎体温表を記録することで自分たちで予測することも可能ですが、病院で検査を受ければ

更に正確な排卵日がわかります。

排卵日を予測する検査では、先ず超音波検査で卵胞の大きさを測定します。

卵胞の大きさが16㎜以上に成長したら、黄体化ホルモンの濃度を調べる尿ホルモン検査

粘液の結晶の形を調べる頸管粘液検査を行います。

検査と基礎体温表などから医師が排卵日を割り出し、セックスのタイミングを指導します。

何も妊娠を妨げる原因がないご夫婦なら、この方法だけで妊娠される方も多くいます。

タイミング療法を1~3カ月ほど行っても効果がない場合には、排卵誘発剤を用いることもあり

誘発剤を使う目的は排卵を促すのみならず、質の良い卵子を育てるために使います。

最初に処方されるのは効果が穏やかなシクロスフェニル剤やクロミフェン剤などの飲み薬です。

効果が見られない時には、強い作用のあるhMG剤やFSH剤などの注射に切り替えることもあります。

排卵誘発剤は妊娠率を高めるために有効ですが、複数の卵子を排卵する可能性もあり、多胎妊娠の

原因になることや、卵巣の腫れや腹痛などの副作用を起こすこともあるため、医師の慎重で適切な

経過観察が重要です。

<タイミング療法を成功させる条件>

女性側…①排卵がある

    ②卵管采の機能が正常で、卵子を卵管に取り込むことができる

    ③卵管が通っている

    ④子宮に受精卵の着床を妨げる原因がない

    ⑤子宮頸管粘液の異常がない

男性側…①勃起して、膣内に射精ができる

    ②精液中に健康な精子が一定数以上いる

上記の条件の中でひとつでも問題がある場合には、原因に合わせた治療を行いながら

タイミング療法を試みますが、そのうえで自然妊娠が難しいと判断された場合には

人工授精体外受精にすすむことになります。