不妊治療を考える 子宮内膜症(治療法)

子宮内膜症は月経周期とともに進行するので、月経を一度止めて、病巣を委縮させる

ホルモン療法が行われます。

これを儀閉経療法といい、ホルモン剤を使って閉経後と同じ体の状態をつくります。

またピルを服用し、妊娠中に近い状態をつくる儀妊娠療法を行うこともあります。

いずれもめまいや発汗、不正出血などの副作用が強いので、体調を診ながら行います。

治療中は排卵が止まってしまうので妊娠が望めず、更に薬を辞めても次の排卵が起こるまで

1~3カ月かかります。

そのため、症状が軽度で女性の年齢が高い場合は、治療より先に妊娠を目指す場合もあります。

妊娠すれば月経も止まるので、子宮内膜症が一時的に改善されるからです。

一方、子宮内膜症による癒着がひどく、妊娠を妨げる場合には、腹腔鏡手術で癒着部分を

剥離します。卵巣チョコレート嚢胞がある場合は、そのままだと排卵しにくいので、

卵巣に針を刺して古い血液を吸引し、代わりにエタノールを注入して卵巣の膜を固定する

手術(エタノール注入法)や嚢胞を取り除く腹腔鏡手術を行い、卵巣機能を回復させます。