不妊治療を考える 精索静脈瘤
精子の数が少なかったり、運動性が低かったりする場合、精索静脈瘤という病気が
原因になっている場合があります。
静脈には血液の逆流を防ぐための弁がついていますが、この弁が壊れるなどの原因で
血液の流れがと滞ると、静脈がこぶ状に膨らみ、やがて滞った血液は精巣内に逆流して
しまいます。
通常、精子をつくるには、精巣は体温よりも2~3℃低い温度が適温といわれています。
精巣は熱に弱いため、体温が上昇すると精子をつくる働きが低下するからです。
しかし、血液が逆流すると精巣内の温度が高くなり、さらに酸素量が減るため精巣の
働きが悪くなり、精子をつくることに支障が生じてきます。
検査では、触診や超音波検査で発見されます。
治療は、静脈瘤の部分を糸で縛る外科手術を行いますが、局部麻酔で行う比較的簡単な
手術なので、日帰りでも可能です。
手術が成功すれば精巣機能が回復し、健康な精子がつくられるようになります。
手術しても良くならない場合は、人工授精や体外受精、顕微授精が検討されます。