不妊治療を考える 卵子の老化
卵子のもとのなる卵母細胞は、お母さんのお腹の中にいる胎児のときから作られ始めて、
その後新たに卵子のもとが作られることは生涯ありません。
卵母細胞の数は、妊娠5ケ月頃に約700万個とピークを迎え、出生時には約200万個、思春期には
約30万個、30代で5万個、40代で5000個、そして最終的に1000個を切ると閉経に至ります。
加齢に伴う卵子の質は30歳ころから徐々に変化が見られて、35歳から急激に低下していきます。
妊孕率が低下する原因は、加齢による卵子の質と量の低下と女性の身体的な老化となります。
残念ながら、これらを若い頃の水準に戻せる技術は今のところ開発されていません。
また加齢により逆に上昇するのが、流産と染色体異常です。
流産は一般的に15%の割合で発生するといわれていますが、母親の年齢と共にその割合は上昇し、
40歳では約35%になるといわれています。
尚、若い人からの卵子提供を受けた場合、加齢が進んでも妊娠率に大きな変化はなく一定を保って
いるという統計があります。
着床の場である子宮は比較的に加齢の影響を受けないことがわかります。