不妊治療を考える 体外受精・顕微授精 ③
体外受精の成功の鍵は、状態の良い卵子と精子を使うことにあります。
そのため、排卵誘発剤を使って複数の卵子を育て、一度の採卵で質の良い卵子を複数個採取します。
一方、精子に関しては採精してから遠心分離器にかけて、運動性の高い精子だけを用います。
その後、成熟した卵子と精子を培養液の中で混ぜ、受精を待ちます。これを媒精といいます。
通常、媒精後十数時間経過すると受精が起こり、卵子の中に2つの前核ができたら受精成功です。
この初期の状態の受精卵を前核期胚といいます。
そのまま、培養を続けると、受精卵は2分割胚、4分割胚、8分割胚と細胞分裂を続けます。
この段階で移植することもありますが、さらに3~4日培養して胚盤胞まで育てて移植を行います。
これを胚盤胞移植といいます。
自然妊娠の場合、受精卵は卵管の中で分裂を繰り返し、胚盤胞まで育ってから子宮に運ばれるので
胚盤胞移植は妊娠率を高めることになります。胚盤胞移植での妊娠率は30%くらいといわれています。