不妊治療を考える 卵巣機能低下
卵巣機能低下とは、卵巣自体の機能が衰えることをいい、排卵障害の中では治療が
困難な症状です。
卵巣の中には、卵子のもととなる原子卵胞がたくさん詰まっていますが、その数が
極端に少なくなると、排卵自体が起こりにくくなります。
女性は加齢とともに卵巣機能が低下しますが、性成熟期の人にも起こる場合があり、
多くは原因不明です。
稀に卵巣への自己抗体や染色体異常が原因となることもあるようです。
自覚症状としては、月経不順や無月経があり、血液検査で卵胞刺激ホルモンや
抗ミュラー管ホルモンを測定すると、卵巣機能の低下の程度がわかります。
治療では、少しでも原子卵胞がある場合、排卵誘発剤や卵胞ホルモン剤を使って
排卵を促します。
それでも排卵しない場合は、月経周期に合わせて卵胞ホルモン剤や黄体化ホルモン剤を
投与して卵巣の機能を回復させるカウフマン療法を行ったり、卵胞ホルモン剤を単独で
投与する低容量エストロゲン療法を試みたりすることもあります。