不妊治療を考える 精路通過障害
精巣で精子がつくられていても、精子の輸送路である精路のどこかに問題があると精子が
先に進めなくなり、精液中に精子がいない状態になります。
これは無精子症の一種で、精路通過障害といいます。
精巣でつくられた精子は、精巣のすぐ上にある精巣上体に送られて、そこで成熟します。
その後、精管を通って精嚢や前立腺の分泌液と混ざります。
そして、性的刺激を受けるとペニスが勃起し、精子を含んだ精液は尿道を通って外に出ます。
これが射精です。
無精子症と診断された場合は、精巣で精子がつくられているかどうかをみる精巣生検と
精路がきちんと通っているかをみる精管精嚢造影検査を行います。
精巣生検では、局部麻酔をしたうえで陰嚢を1㎝ほど切開し、精巣の組織の一部を採取します。
それを顕微鏡で観察して、精子の有無を調べます。
精管精嚢造影検査では、精管に造影剤を注入してX線撮影をし、精子の輸送路に詰まりがあるかを
どうかを調べます。
造影剤は局部麻酔をしたうえで、陰嚢の上部に穴を開けて、そこから精管に注入する方法をとります。
これらの検査の結果、精巣で精子がつくられているにも関わらず、精路に問題があることがわかると
精路通過障害と診断されます。