不妊治療を考える 精路通過障害(逆行性射精)
逆行性射精とは、精液がペニスの外ではなく、尿道を通って膀胱に射精されてしまう症状をいいます。
セックスの後の尿を調べると、精子が見つかることで診断されます。
原因はわかっておらず、生まれつきのことが多いようです。
前立腺の手術や糖尿病が引き金になって起こることもあります。
逆行性射精を根本的に治す治療はありません。
不妊治療では、膀胱から精子を採取して、人工授精や体外受精を行います。
但し、精子は尿に触れると運動性が弱って死んでしまうので、先ずは膀胱の中を精子の培養液で何度か
洗浄します。その上で膀胱内に新しい培養液を注入し、マスターベーションで射精させます。
その後、膀胱から培養液ごと精液を採取し、洗浄してから正常な精子を選り分けます。
この方法で採取した精液を、人工授精や体外受精、顕微授精に用います。