妊活コラム⑧ 卵巣年齢とAMH(抗ミュラー管ホルモン) | 東京都葛飾区の女性専門不妊鍼灸院・更年期障害 青龍堂

鍼灸 青龍堂

東京都葛飾区の女性専門不妊鍼灸院・更年期障害 青龍堂

女性専用・完全予約制

アクセスはこちら

妊活コラム

 

東京都葛飾区の不妊鍼灸院 青龍堂です。

今日は卵巣年齢の数値とされるAMH(アンチ・ミューラリアン・ホルモン=抗ミュラー管・ホルモン)についてお話したいと思います。

AMH(アンチミューラリアンホルモン)はミュラー管ホルモンともいい、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです
AMH値は、卵巣内にどれくらいの卵の数が残っているかを測ります。
男性の場合、精子は継続的に作られているので、いつも精子は新しく、いくつになっても精子は作られ、年齢の影響をほとんど受けません。

しかし卵巣では卵子は作られておらず、生まれる前に作られた卵子が保存されているだけです。
したがって生きた卵子はどんどん減少するとともに、年齢とともに卵子自体も年をとり古くなります。卵子の質は、その古さ、年齢の影響を直接受け、卵子の数も年齢とともにどんどん減っていきます。その数は年齢以上に個人差が大きく、いざ子供が欲しいと思った時に卵子がないということも起こり得ます。
卵巣の予備能(卵巣内に残っている卵の在庫の目安)は今までのホルモン検査ではよくわかりませんでした。AMHはその指標であり、また他のホルモンと違い月経周期のいつ測ってもよい血液検査です。
卵胞は、原始卵胞から一次卵胞、二次卵胞、そして胞状卵胞へと、常に一定の割合で成長しています。AMHは小・前胞状卵胞から分泌され、9~10mmぐらいまで卵胞が大きく(胞状卵胞に)なると分泌されなくなります。
また、どんなホルモン検査にも測定誤差はありますが、AMHはその誤差が大きいという特徴があります。

よく誤解されるのが、AMH値が低い=(イコール)妊娠率も低くなると思われがちなことです。たとえばAMH値を測っていないから知らないだけで、実はほとんどゼロに近い数値でも自然に妊娠・出産している人はたくさんいます。 

受精卵さえできれば、その人の年齢なりの妊娠率はきちんと出るのです。

重要なのは、受精するまで卵子がいるかどうかが問題で、その卵子が残っているかどうかを判断するのがAMH値の測定なのです。
要するに、AMHは妊娠率を語りません

卵子の数が少ないということは妊娠率が低くなるということではなく、不妊治療をできる期間が限られてくる、ということを示すのであって、「AMHが低いからほとんど妊娠できない」ということではないのです。

みかけ若くても、卵巣の卵子が非常に早く減ってしまい、20代、30代で閉経する女性も多くいます。また、寿命がどんどん長くなっても、女性の生殖年齢は昔と変わりません。
卵巣予備能を知ることは、不妊治療がいつまでできるかの目安ともなり、AMHによって出る結果は、妊娠できるかどうかではなく残っている卵を有効に活用できるのかの判断に役立たせる検査なのです。
AMH(アンチミューラリアンホルモン)とは、卵巣内にどれぐらい卵子の数が残っているか(卵巣予備能)を反映するあくまで数値です。

基本的には、年齢が高くAMH値が低ければ不妊治療が出来る時間は少なくなります。
年齢が20代でもAMH値が1ng/ml(ナノグラムミリリットル)以下の方も同様です。この場合は早発閉経といって、年齢が若いにもかかわらず、卵巣機能は実年齢以上に衰えていて、最悪の場合は20代でも30代でも閉経が起こってしまう事があるケースです。
では、年齢が若くAMH値が高ければよいかというと、そうとも限りません。
この場合(値が4.0~5.0ng/ml以上ある)は排卵が阻害され卵巣内に多数の卵胞がたまり、月経異常や不妊原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が考えられるます

このように年齢とAMH値によって、不妊治療の方法も治療に費やせる時間も大きく変わりますので不妊治療の計画を立てる上で参考になる検査ではありますが、妊娠に関して直接作用する確定検査ではないということを知っておきましょう。